INTREMISSION ・・・ The Phantom of The Opera |
手元に、4つの「オペラ座の怪人」のプログラムがあります。 ひとつは93年のロンドンのものです。93年のファントム役 Peter Karrie 氏は、ミッシャ・マイスキー似の渋いハンサムです。写真では濃い頬髯顎鬚があるのですが・・ ローラの父さん(注1)のように、ドーランで塗りこめてしまっていたのでしょうか? プロダクションデザイン(舞台美術全般のことでしょうか)の Maria Bjornson(ビヨルンソン?)さんという女性の写真、影のあるマレーネ・ディートリッヒのような写真で惹かれる顔立ちの美しい人です。83年にはプラハのビエンナーレでウェールズナショナルオペラで銀賞を受賞したとか。彼女が手がけた舞台のタイトルがずらりと並んでいます。 04年ロンドン公演のプログラムでは、93年の出演者はいないようです。 顔ぶれはすっかり入れ替わっています。 作曲者ウェバーの顔もだいぶお年を召した写真になり、ディレクターや脚本家たちの写真も貫禄たっぷりに変化しています。 残念なことに・・・ ディートリッヒ似のMaria Bjornsonさんは2002年12月に亡くなっていました。 彼女の没後もクレジットに残る仕事の数々が記されていて、一度でいいから彼女の声を聞いてみたかったなあ、と思いました。 さ来年、2006年はHer Majesty Theatreの初演から20年です。 プログラムをずらっと並べて、この20年のあいだにこのミュージカルに関わった人々の名前と顔をずっと追いかけてみたくなりました。 劇団四季のプログラムと昨年末ロンドンのものを比べると、舞台装飾はロンドンのものが格段と美しいように思えます。古びているところも、オペラ座のアンティークな加減に思えるし、衣装の生地の柔らかさ、色合いなどが「こなれている」というのか、すでにHer Majesty Theatre と物語のオペラ座が融合してしまったような。 衣装の色合いもまったく違うところがあります。 第二幕最初の仮面舞踏会シーン。 クリスチーヌ四季版はブルー基調。 ロンドン版はピンク基調。 ブーツは同じ銀色です。 そして大きな大きな違いは、舞台上の火の使用です。 日本では消防法で劇場(舞台上)での火の扱いはとても面倒な手続きを通さないといけません。 ロンドンではファントムの地下住居も、昔ながらのオペラ座の舞台足元に灯りをともすのも本当に火を灯して臨場感が出ていました。 ガス灯を灯すための、ながーい「チャッカマン(笑)」(注2)のようなものがあるのですが、それで舞台周りに「ボっ」と火をつけて回ると、ガスの炎の熱さが伝わってきてびっくりでした。 こういうところが、演出のすごさでした。 ①ローラの父さん・・・・『大草原の小さな町』(ローラ・インガルス・ワイルダー)開拓者の小さい町デ・スメットでの、主人公ローラのユーモアたっぷりのお父さんの逸話。頬髯と顎鬚を黒い靴クリームで塗りこめて仮装してしまう話。 ②チャッカマンの特大版?・・・・昔、明治の銀座のガス燈もこのチャッカマンみたいなもので点灯して歩く専門の人がいたそうです。ガスの科学館でその様子が復元されてます。 |
by crann
| 2005-01-10 01:25
| musica・音楽
|
<< The Phantom of ... | The Phantom of ... >> |