天井は高いほうがいいだろうけど。 |
↓の現代音楽の夜の、少し前は、現代建築の午後でした。 先週はコンサートホール近場に見たい美術展がなく、そうだ、と思って出かけたのが東京ステーションギャラリーの「前川國男建築展」。 建築好きにはたまらない、濃い展示でした。 10年ほどまえ、「東京建築探偵団」初代団員である清水慶一さんを講師に、「建築探偵入門」建築見て歩きをご一緒したことがありました。 初代団員には藤森照信さんなど名だたる建築学究の徒が勢ぞろい。 文春文庫の『建築探偵術入門』では、若き探偵たちの一人であった清水先生も、今や国立科学博物館の室長。 清水先生の講義を聞きながら、銀座の三越や兜町やらをぞろぞろと歩いたことを思い出します。 傍目に、どれだけ妙な団体に見えたことやら(笑) 「前川國男建築展」では、建築本にも出てこない貴重な図面やスケッチ、そして立体模型(圧巻でした!)で「前川作品」をじっくり楽しむことができました。 ル・コルビジェの弟子である前川作品の、代表作といえば「東京文化会館」。 清水先生の端的な鑑賞方法、「コルビジェといったら、トウフ。前川國男といったらトウフに目鼻!」」を一生忘れないでしょう。 おかげさまで、今回も一緒だった友人に得々と「前川作品はトウフに目鼻、っていうのよ♪」と披露しました。 プリモス住宅シリーズは、立原道造の「ヒヤシンスハウス」にちょっと通じるかんじ。 公共建築の巨大な空間もですが、自宅や狭小住宅の空間の捉えかたにセンスが光っていました。 ウチは居住者の身長にあわせて普通の家より天井が高いのですが、空間デザインには全く関係ないのだと痛感します・・・ 処女作(1932年)が現在も青森で保存されている!そうです。 1932年に29歳、ちょうど働きざかりの年代が戦争に重なってしまっています。 戦争がなかったら、モダニズムのデザインはどう変化していたのかと、残念に思えますね・・・ 「前川國男建築展」は3月5日まで。 |
by crann
| 2006-02-13 01:06
| exccetera・いろいろ
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