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S*e*x*t*a*n*s は 獅子座の隣にある六分儀座。航海者必須アイテムの六分儀で好奇心の方位をみつけていきます。音楽と映画と本と、その他おもいついたことを徒然に書き留めています。コメントどうぞ。
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ギィ・ド・リュジニャン。

Kingdom of Heaven のイヤな次代エルサレム王、シビラ王女の夫であるギィ・ド・リュジニャン。
十字軍に凝ってた十代の頃(その理由は以前のポストをご覧あれ)に読んだどこかにでてきたなあ、くらいしか覚えがなかったのですが、最近別のことで、この名前「リュジニャン」にお目にかかりました。

『妖精メリュジーヌ伝説』です。

そうだった、メリュジーヌ伝説はリュジニャン伯爵の話だったっけ、と思い当たりました。
フランスはポワトゥに伝わる、リュジニャン一族の縁起物語が13世紀末(完成は1401年)にまとめられた『メリュジーヌ物語』です。

『ベリー公の時祷書』で有名な、ベリー公が家系に箔をつけるため?「われこそはメリュジーヌを祖先にもつリュジニャン一族の末裔」と結ぶ物語をつくらせたことで、メリュジーヌ伝説が文字となって後世に残ったわけです。


メリジューヌは絶世の美女で、森の奥深く泉のそばで騎士と出会い、恋に落ちます。
この騎士に「決して土曜日にわたくしの部屋をのぞいてはいけません。土曜日はわたくしは誰とも会うことはできません」と条件を出して、彼の危難を救い、魔法のように城をつくり、彼を立身出世にみちびきます。彼女は妖精の母と王である父とのあいだに生まれ、母から妖精の掟によって「土曜日は下半身が蛇になる」呪いを受けてしまった、妖精でした。

メリュジーヌ伝説には、ケルトやヨーロッパの古い文化と伝承が色濃く残ります。

二人の子ども達は、それぞれ常ならぬ印を身に帯びて誕生し、リュジニャンと名乗り各地で武勲をかさね栄耀出世していくのです。

さて、その息子のひとりが、ギィ・ド・リュジニャン。
この『メリュジーヌ物語』は、史実のリュジニャン一族の栄華を土台に編まれたもののようでした。

物語では史実200年分くらいが子ども達の栄光に凝縮されているのですが・・・

映画Kingdom of Heavenではどうしようもないエルサレム王ギィが、故郷フランスではめざましい立身出世の伝説として語り伝えられた人物だということが、よくわかります。
ギィ・ド・リュジニャンは、エルサレム王国消滅のあと、アッコン包囲で折りよく到着したリチャード獅子心王に救出され、リチャードが征服したキプロス島を与えられてキプロス王になるのでした。
『メリュジーヌ物語』の高潔、勇敢なギィとは比べ物になりません。

しかし、物語のほうでも栄華はつかのま、物語のメリュジーヌが夫に裏切られて龍となって城をさったときから、リュジニャン一族の衰微も始まります。
城主が変わるとき、城の上にメリュジーヌは龍となって姿をあらわす・・・とあるように、不死の妖精メリュジーヌの子孫たちは、人間の世界で滅亡していくのでした。

現実の世界でも、キプロス、アルメニアなどを治めたフランク植民地王国貴族、王族たちはサラセン勢力に押されて消滅していきます。
遠い中東の地での、異教徒から聖地を奪い王国をつくりあげた騎士たちの物語を、フランスのひとびとはそれこそ「物語」の出来事のようにおもったことでしょう。

リュジニゃンの名前は、さまざまな不思議をはらんだ幻想物語をあらわしているのでした。
映画のギィを見ていると、まったくそうとは思えないのですけれど・・・











グウィネス・パルトロウ、アーロン・エックハート主演「抱擁」という映画です。
原題 Possesion ;Romance by A.S.Byatt
ブッカー賞など各賞受賞、英国、英語圏でベストセラーになった小説を映画化したものです。

映画も面白かったのですが、新潮文庫の翻訳を見つけました。
ストーリーは、ヴィクトリア朝の詩人同士の秘密の恋の謎を、現代の学者二人がの謎解きするというものです。
現代の学者二人も埋もれていた恋人たちの往復書簡から謎を探るうちに、恋におちてしまうのですが・・

そのヴィクトリア朝の女性詩人、クリスタベル・ラモットの作品に、「メリュジーヌ伝説」を元にしたものがあり・・・というくだりがあります。

メリュジーヌの分析は出てきませんが、こうしてみるとクリスタベルも、現代のヒロインであるモードも、女性という性にはメリュジーヌが潜んでいる、という趣が感じられます。
この映画と原作はまた違うところが多いのですが、ロマンスという点ではおすすめです。




***このポストは4月にとりかかって全然終わらなくなってしまったものでした。
ほんとはもっと調べて書こうと思ったのですが、調べる時間がないのでこれでポスト。
メリュジーヌの神話的分析(アジア型とかね)も、そのうちに・・・
by crann | 2006-06-18 02:20 | libro・本
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