カビアシトロン二十皿。 |
宮中晩餐会にまねかれたら?!というときのための本をご紹介しましたが(笑) 明治の鹿鳴館の夜会メニューというのを見つけました。 こちらの本です。 『鹿鳴館 擬西洋化の世界』(富田仁 著/白水社 84年刊) そのメニューのところだけ、調べてみました。 フランス語の標記ができないので、ご勘弁を・・・ 明治18年6月3日の夜会では、何が出たのでしょうか。 <>内はちょこっと調べたものです。正しいかどうかは不明です。 一 羹汁 四季鳥肉製 Potage quatre saison <四季のポタージュ> 重焼 重焼鳥肉製入添ル Bouchees a la Monglas <モンゴル風の一口パイ?> 一 魚肉 鯛洋品合製蒸焼 Tai a la Chambore sauce au beuure <鯛のシャンボール城風、バターソース?> 一 鳥肉 鶏肉三色冷製寄物 Pain de volailles ala Debute <鶏のデビュー風パン? > 一 鳥肉 鰕鳥肉洋菌油製 Cotelette a la Victoria <ヴィクトリア女王風カツレツ 茸添え 油製は揚げ物ってことですね>7 一 獣肉 牛脊肉山葵製 Filet de boeuf a la Polonaise <ポーランド風ビーフ 山葵添え?> 一 製酒 洋酒菓入氷製 Punch a l'ananas < パイナップルのパンチ> 一 獣肉 羊股肉野菜合製 Gigot de mouton a la Hongroise <羊腿肉のハンガリー風> 一 鳥肉 鶉蒸焼製洋菜 Cailles rotis,-Salade <鶉のロースト、サラダ添え> 一 蔬菜 薊実赤茄子製 Artichauts a la Provencale <アーティチョークのトマトソース?プロバンス風> 一 製菓 菓入蒸製 Plum pouding <プラムプディング> 一 製菓 二種合氷製 Glaces panachees <二色のシャーベット> 果実製菓数品 Deserts assortis Cafe ひゃー(笑) 本格的だったんですね。 しかしわからないものばかり・・・ 「モンゴル風一口パイ」ってどういうんでしょう? 冷製寄物っていったらゼリー寄せじゃないかなと思うけど、鶏のパンって? volailleには娼婦の意味があるそうで、娼婦デビュー風?? そのほか、鹿鳴館の夜会で用意された物の数がすごいです。 「カビアシトロン二十皿」 これはキャビアとレモンですか? 「珈琲 千二百人前」!!! 明治18年とか19年とかに、どうやって食料を、それもアーティチョークとかを間に合わせたんでしょうか。 西洋化へ向けて必死の時代、今だから滑稽に思える「鹿鳴館」ですが、現代だって同じようなことがたくさんあります。 それを考えたら笑えません。 鹿鳴館も政治的効果より文化的効果のほうが高かったのだと思います。 このメニューは日本人コックさんが作っていたんだそうですから・・・! |
by crann
| 2006-05-31 17:34
| libro・本
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