ヘラクレス。 |
先日、HFJ主催のヘンデル作曲「オラトリオ ヘラクレス」全幕上演を聞きました。 15時開演、途中20分の休憩を二回いれて、17時15分頃終演という長丁場。 聞くほうも、もちろん舞台のソリストも合唱も、アンサンブルも長丁場。 音楽にしろどんな芸能にしろ、舞台・ライブは本当に真剣勝負です。 このオラトリオの上演のどこが大変って、音楽ももちろんですけど、出演者すべてが舞台に貼り付きなこと。 オペラや演劇は、舞台に動きがあってそれぞれの出番に舞台=まな板へ載る。 (コンサート形式のオペラもありますけどね) オラトリオ上演の場合は全員でずっぱり。 出番以外はイスに座ったままです。 緊張感と自分の出番へのテンションの高め方など、感嘆です。 アンサンブルのバロックバイオリンも全員立って!演奏でした。 ストーリーはギリシア神話のヘラクレスの話が元になっていて、ヘラクレスが滅ぼした国の王女(アイオレっていうんですが、アイオリにみえちゃって・・・)を連れ帰ると、奥さんのデージャナイラが嫉妬してしまい、昔ヘラクレスに殺された男の呪いがかかった服をヘラクレスに着せてヘラクレスが死ぬ、というもの。 デージャナイラは、ネッススという男の血が染みた服をだんなさんに着せるわけですが、ネッススが「この服には愛をよみがえらせるまじないがある」という言葉を信じたのが、間違いだったのでした。 ヘラクレスを憎んでじゃないのですが、ヘラクレスは妻に裏切られたと思います。 そして苦悶して死にかけながら、息子へ山頂へ運び火葬にしてくれと頼みます。 息子がそのとおりにすると、一羽の鷲がやってきてヘラクレスの魂を連れ去り、ヘラクレスは尾リュンポスの神々に加わったのでした。 そして大団円というかなんというか・・・ ヘラクレスの苦悶もすごいし、デージャナイラが狂乱するのもすごい。 なのに最後はあっさりジュピターの祭司がやってきて、ヘラクレスが神になってめでたいぞ、ジュピターのお告げではアイオレとヘラクレスの息子ヒュロス(これがチュロスにみえちゃって・・・)が婚姻するよう告げている、と言うのです。 元々ヒュロスはアイオレにプロポーズしてたのに、自分の国を滅ぼした人の息子とは結婚できないとはねつけていたわけです。 ジュピターのお告げならば、とアイオレも結婚を承諾してめでたしめでたし。 あれ?それで終わりですか?? あの苦悶と狂乱はどこへいっちゃったの?というくらい、あっさりと終幕。 なんとなく不思議な感じがしたのは、第3幕にもなるとこっちの気合も充分になったからかもしれませんね(笑) |
by crann
| 2007-01-17 23:21
| musica・音楽
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