SFどうでしょうClassics 『ブラッド・ミュージック』 |
よもやお忘れか、とkappaが差し出してきたのは、ワールドコンJAPAN2007投票はがき! 星雲賞とかヒューゴー賞とか、投票できるんですよ! といいつつ最近全然読んでないし、ヒューゴー賞なんて候補作品をどうやって読めばいいんだか(爆)(ヒューゴー賞といっても、エージェント・スミスとか裂け谷の殿じゃございませんよ<某お館主さまへ(笑) 候補に「図書館戦争」が入ってますね♪ 野尻抱介「大風呂敷と蜘蛛の糸」はどんなんでしょうねえ?最近になって「ロケットガール」がアニメ化されてたことに気づいたのでした・・・ 今夜から気合いれて「シンギュラリティ・スカイ」と「イリアム」にとりかかります。 で、本題です。 「水曜どうでしょうClassics」にひっかけて、お気に入りSFを紹介してみようかと思います。 どうもタイトルが吸血鬼ものみたいですが・・・ 導入部分の生物学者の妄執が秀逸です。 グレッグ・ベアの本邦初訳だそうで、翻訳成功例のひとつでしょう。 海外文学を、ましてSFというジャンルを面白く読ませる翻訳には大変な努力がいると思います 。どんなにベテランの翻訳でも、一瞬?とひっかかったら楽しさ半減ですから。 ひっかかりつつ、気になりつつ読ませてしまうのも個性。 さらっと読ませてしまうのも、才能。 この妄執いう漢字から、イメージされる語感、連想がそのまま極小生物の生態の描写へとつながります。 触感、視覚、聴覚すべてが、ねっとりとしてまとわりついて毛穴からしのびこんでくるような、感覚を励起する表現には鳥肌がたちました。 刊行当時、設定はSFだったのですが、いまではストーリーが時代においつかれてしまっています。 バイオチップ、ナノテク、バーチャルネットワーク、BSEやエボラウィルス・・・ 未来を予言したウェルズの「タイムマシン」より、近未来のほうが早く実現すること、それも好まざる方向への実現であることを考えると、また鳥肌モノです。 夏に読むにはぜんぜんオススメではありませんが、ヘタなホラーより絶対怖いので、ゾクゾクしたい方へはぜひどうぞ。 |
by crann
| 2007-06-27 18:45
| libro・本
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