SFどうでしょうClassics 『我が名はコンラッド』 |
原題は This Immortal 。 翻訳の才能が無いので、これはどう訳したらいいのでしょうか? この不死者、じゃあんまりですが。 ラテン語の「この人をみよ!」=エッケ・ホモ!みたいなイメージなのかな? ゼラズニイは大好きなのですが、SFといいつつファンタジーじゃないかと大学のサークルメンバーにはよくいわれました。 いまなら、古典本歌とりのSFだ!といいかえせるのに。 ダン・シモンズはゼラズニイの後継者といえるじゃないかーとか。 主人公コンラッド・ノミコスが、自分が地球と人類のためについやした時間の結果である現在の地球の状態に少々うんざりしている、というところから物語が始まります。 荒廃した地球は放射能汚染(!)でミュータントの跋扈する神話世界。 地球の所有が異星人たちの入札で決められようとしてるところへ、入札者のひとりが地球の視察にやってきて、コンラッドはその異星人一行をエジプトをはじめとする超古代の遺跡へと案内することへ・・・ ナイル河には、突然変異した超巨大生物ボーダイル。 ボーダイルの足はいくつあるのか? この会話のあと、ボーダイルと遭遇しのぞまざるにもかかわらず、足の数を確認してしまうことになる・・・ 会話とそのあとに起こる事件、そして会話。 ちょっとペシミスティックなコンラッド、乾いたユーモアの語り口がこの物語の魅力です。 世界がちょっと疲れた中年(?)男の肩にかかっている・・・ ゼラズニイの未来の大作「真世界シリーズ」の原型は、ここにあったのでしょう。 映画「ハイランダー」は、ゼラズニイのこの物語のアイデアをつかっている、と聞いたことがあります。 確かにそうだと思えるのは、ロマンスの部分です(笑) 「我が名はコンラッド」は、中世文学を専攻したゼラズニイがめざした騎士と姫君の抒情詩なんじゃないかな?と思えるのです。 |
by crann
| 2007-07-06 12:07
| libro・本
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