美味しき諍い苺。 |
下のデザートプレートを「大盛りで!」と頼んだ、とある建築家のおじさまは柔道家でもあります。奥様が料理家で、ご自宅はおじさまが設計したすばらしいキッチンとダイニングがあり、完全予約制レストランになることも。 そのおじさまと、青山のイタリアンリストランテのオーナーイタリア人おじさまとが、苺論争をくりひろげたことがありました。 建築家おじさまいわく「苺はスウェーデンに限る!」 イタリアおじさまいわく「苺はカラブリアに限る!」 このときの二人の論争は録音しておけばよかった!と悔しく思い出すほど、面白かったです。 つーか、はたで聞いていたら笑い話なんですが。 いい年した、えらそうな(実際えらいんだけども)お二人が、まじめに口角唾を飛ばして、いかに自分が食べた苺が人生最高、世界で一番旨いかと激論をたたかわしているのですから。 はたで聞いていたほかのメンバーは、 「日本の苺だって、旨いよねー。あまおうとか、とよのかとかさ」 「女峰みたいなすっぱい系のほうが、風味があっていいな」 「アイベリーってでかいからやっぱり大味?」 とそれぞれ勝手な苺談義。それにしてもみんな良く苺の品種をしってるものねえ、と違うことにも感心。 さて、おじさま苺対決はどちらにも軍配はあがりませんでした。 苺対決より、デザートの注文のほうが大事ですからね。 オーナーおじさまに、「エスプレッソ豆を砕いて入れたジェラートが食べたいな♪」と麗しき会の主催者がお願いして、あっけなく論争は終了しました。 このジェラートは、今流行している大理石のうえでトッピングを混ぜるのと同じものです。 エスプレッソ豆をバニラアイスのなかで砕きながら混ぜ込む、力技のデザート。 これにちょっとリキュールをたらしていただくと、最高です。 これ食べたら、苺はどうでもいいでしょう?と思う美味しさでした。 さて、あれからもう何年もたっていますが、建築家のおじさまは、あの苺論争を忘れちゃいませんでした。 「苺はスウェーデンだ!」と、宣言してました。 私は、カラブリアのほうが美味しいんじゃないかなーと思うのですが(地中海気候だから水分が少なくてぎゅっと小粒で甘みが強いのではないかと)。 食べ比べるにしても、二人の言い分の一致している条件というのが 「苺を畑でその場で食べるなら」 なので、ちょっと、いやだいぶ難しいのですよ(苦笑) |
by crann
| 2008-10-11 00:50
| mangiare・美味
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