季節だからさ。 |
ホラー映画は誤解して見に行ってしまった「フェノミナ」以外、ひとつも見たことがありません。 「フェノミナ」を見に行ってしまったのは、衣装がイヴ・サンローラン、その衣装をきこなすのが美少女デヴューのジェニファー・コネリーだったから。 「オーメン」も「サスペリア」も、音楽と話は知ってるけど、見てはいないのです。 しかし・・・ ホラーな物語は、知らないで読んでしまっています。 「ホラー」と大書されてないで、実はホラーな内容はたくさんあるんですよね。 それに、以前ホラーの大家(笑)にお仕事をお願いしたこともあり、ホラーに慣れなくちゃとがんばったこともあります。 なので、読むホラーには免疫がついてきました(笑) 小野不由美「ゴーストハント」シリーズ。 文章で読んでものすごく怖かったので、途中から文庫で出ていたマンガに切り替えた(こんな読み方?したのは初めて!)ですが、マンガのキャラクターたちがとってもキュートなのにストーリーはとてつもなく怖かったです。(原作がそうなんだから、そりゃそうに違いないのですが・・) キュートな絵だからこそ、怖いシーンが際立って怖い!ということもよーく理解しました。 次はちゃんと文章で読もう、と決断できてよかったです(違う?) それから『アイルランド幻想』。 結論からいえば、これは怪談でした。 Tales of Horror、しかしアイルランドの景色が見えてくる短編集としては、おすすめです。 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が幼い頃に世話係りのメイドから聞かされた、ケルトの怪異譚はこういうのだったに違いない、と感じました。小泉八雲=ハーンの故郷、アイルランドと日本の叙情性や精神文化の比較がよく言及されるだけあって、八雲にとって日本の民話には大変な魅力を感じて、わくわくしながら集めたのが『ゆきおんな』ですから。 子どもの頃、読んだ英語の絵本のなかに『グリーシュ』というのがありました。 アイルランドのお話で、まずしい農家の青年グリーシュが妖精たちを出し抜いてお姫様を救い出して、お姫様の心も手に入れてめでたしめでたし、というお話。 これもある種の「大工と鬼六」の要素があると思っていたのですが、「大工と鬼六」は元々北欧神話を日本人が翻訳して、民話調にしたものだそうです。 なーんだ、日本の話じゃないのかと思うより、とっても日本の文化にしっくりくる話だということのほうが面白く感じられます。『グリーシュ』がアイルランド版大工と鬼六だとすると、八雲が聞かされた民話と日本の民話との土俗的な共通性が見える気がします。 『アイルランド幻想』も、アクの強さはあるけど日本人の「怖さ」に近い、怖さです。 ダン・シモンズ『エデンの炎』。 同じ島でも南の島、ハワイ島を舞台にした、サイキック&モンスター?アドベンチャーらしいのですが、ホラーでした。南の島で超古代のうんぬん、とくると、どうもクトゥルー風味なんですがこれもそう。 ダン・シモンズは、『ハイペリオン』シリーズ、最新刊『オリュンポス』の古代ギリシア神話、伝説世界と未来が錯綜するSFが有名です。 『エデンの炎』にも、マーク・トウェイン(!)が登場して現代と100年前が交差する、ダン・シモンズらしい仕掛けがあります。 しかし『アイルランド幻想』にくらべると、とってもハリウッド的というか、怖さが大味。 うしろをふりむけない怖さ、みたいなものはありません。ある意味健全(笑) さて、日本の妖怪たちは最近商売っ気が出てきたようで・・・ 水木しげるロードの妖怪グッズ、夜見るからおもしろいのかも。 妖怪パン屋さん。 妖怪おみやげ屋さん。 妖怪グッズも売る?妖怪電気屋さん。 |
by crann
| 2007-07-13 20:21
| mangiare・美味
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